年金財政検証公表。余裕がある高齢者は年金自主返納もありでは?

年金財政検証の結果がやっと公表されましたね。

高齢化と少子化が同時進行する日本ですから、当然のことながら受け取れる年金は減り、受け取れる時期もどんどん後ろ倒しされます。

様々なパターンでの年金試算が示されましたが「死ぬまで元気に働いて!」というのが政府の本音ですし、私達が目指すべきところかも知れません。

何歳になっても年金以外の収入源を持つことが、自分自身も一番安心できることです。

一生続けられる仕事について考えている方は、こちらの記事もご覧ください。

とは言え、「自分は2024年から年金が受給できるから現役世代の6割くらいもらえるな」なんて試算できる世代はまだ幸せ。

もし自分が今20代の会社員だったら、年金財政検証の結果を見てどう思ったでしょう?

年金に何の魅力も感じない若者世代

年金財政検証では、55年後の2074年度における年金月額見通しも示されました。

それを見た「20代の自分」は、一生懸命働いて50年間納めていこう!と思えるでしょうか?

現在50代の人でさえ、本当に年金財政検証の結果どおりに年金が受け取れるのか心配なはずです。

突然ルールが変わって受け取れる金額が減る、受給開始が遅れる、そんな想像も当然しますよね。

現在20代、30代の人なら尚更です。50年後のことを信じるなんて不可能でしょう。

年金には何の魅力も感じない、年金なんて納めたくない。

そもそも日本の年金制度は既に破綻している。

そう考えても仕方ないですよね。

高齢者の運転免許証返納。あくまでも「自主返納」が大事

少し脱線して運転免許証自主返納の話。

高齢ドライバーの運転操作ミスによる事故が大きく取り上げられ、運転免許証の自主返納についても新聞やテレビで様々な意見が出されています。

2018年は約42万人が自主返納し、そのうち75歳以上の人が29万人以上。2年連続で40万人を超えていますので、少しずつ浸透しているようですね。

ただし、あくまでも「自主返納」ということが大事で、免許を取得し定期的に更新できている限り、免許証を持つことは当然の権利であり本人の意志を尊重すべきでしょう。

75歳以上は無条件に返納なんて意見はあまりに乱暴。高齢者でも安全に運転できる方は沢山いらっしゃいますし、反対に危険なあおり運転をする若者や中年もいるわけです。

やはり、運転免許証の更新手続き方法、期間を適切で厳格なものにして、本当にハンドルを握らせても良い人間にだけ免許証を与えるべき。

そうした中、自主的に免許証を返納する高齢者が増えていることは、日本には良識ある高齢者が多いことの証明かも知れません。

余裕がある高齢者は年金の一部「自主返納」もあり?

話を年金に戻してひとつ提案です。

運転免許証のように年金の一部を「自主返納」できる仕組みを作ったらどうでしょう。

実はあるテレビ番組を見て、高齢者の中には運転免許証の返納よりも年金の一部返納の方がハードルが低いという方もいるのでは?と感じました。

番組で紹介されたのは、上場企業を定年退職し、退職金で田舎に家を建て趣味で野菜作りをしている80歳と76歳のご夫婦。

田舎ですので家を建てても退職金は余り、毎月の年金も夫婦ふたりでは遣いきれない。少しずつ貯蓄が増えていくそうです。

なんとも羨ましい話ですが、もしかしたら日本の高度成長時代にバリバリ働いた世代では案外よくあるパターンかも知れません。

当然、運転免許証以上に、もらう権利がある年金を強制的に返納させるなんてありえません。

これ以上の貯金は不要で、毎月いくらか年金が余る、子孫に残す必要もないという人であれば、簡単な仕組みさえあれば年金の一部返納に応じてもらえるかも知れません。

そんな条件に合う人がどの程度いらっしゃるのか、一部返納の「お返し」は名誉だけで良いのか、いろいろ考えることがありますが、面白い提案ではないでしょうか。

冗談じゃない!戦中、戦後、そして激務だった会社員時代にどんなに苦労したと思っているんだ!とお叱りを受けると思います。

あくまでも「自主返納」自主的な判断です。

今回の年金財政検証の結果を見て、日本の年金制度は本当に破綻するという危機感を持たれた良識ある高齢者の賛同が得られれば幸いです。