日本一小さな村。だけど元気一杯!目指すべきコンパクトシティの理想形か?

定年前後の皆さん、こんにちは。
皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。
ところで、日本で一番小さな自治体ってどこだか知ってますか。
それは富山県の舟橋村。富山市中心部から車で20分位のところにあります。
私は9歳のビーグル犬と暮らしており、毎日5、6キロメートル散歩します。舟橋村は縦横2キロメートルほどしかないので、毎日村中を見回りできそうですね。
現在の人口は約3千人ですが、実はこの30年でほぼ倍増しているのです。
しかも、村民の平均年齢は約40歳、2010年の国勢調査では、人口に占める15歳未満の割合が21.8%と全国最高を記録しました。
どうして、こんなに小さな村が、元気一杯なのでしょう。
駅に併設された図書館
村の元気の秘密は、最寄り駅である富山地方鉄道の越中舟橋駅に併設された舟橋村立図書館。
1998年にオープンした図書館ですが、建設には大変な苦労がありました。
構想当時の村の年間予算は13億円。しかし、図書館建設関係費用は10億円を超え、県に補助金交付を申請するしかありませんでした。
図書館は利益が出ないという理由で、県の承認はなかなか降りませんでしたが、村は粘り強く交渉します。
新しい住民も含め、幼児からお年寄りまでが気軽に集まれ、村の文化を発信できる場所が必要なのだ。
この想いが県に通じ、ついに図書館の建設は実現しました。
そして今、県に宣言したことは現実に。3階建てで蔵書6万冊超となった図書館にはベビールームや和室も設けられ、幼児からお年寄りまでが集います。
また、人口1万5千人未満の町村立図書館の中では、住民1人当たりの図書年間貸出冊数は第1位なのです。
駅と図書館、人が一番集まる場所が併設されたコンパクトさ。
「小さな村」の豊かさを象徴する施設です。
小さくても村民の所得は高い
2006年に「平成の大合併」があり、小さな町や村は合併されてしまいました。
しかし舟橋村は、これまで一度も他市町村と合併したことがないのです。
それは村民1世帯あたりの所得が高いから。
農家の平均耕作面積は1.2ヘクタールと広く、しかも富山市中心部まで車で20分で行けるため、市内に通勤しながらの営農が可能なのです。
また、宅地造成に計画的に取り組んだことが、功を奏しました。富山市のベッドタウンとして、子育て世代が多く転入してきたのです。
兼業農家として暮らす地元民と、市内から車で20分のところに家を建て転入してきた住民。
両者の関係を取り持つのに、駅と図書館の併設が役立っていることは間違いありません。
皆が集まる場所で、すぐに「知り合い」になれるからです。
まとめ
「中心市街地の活性化が図られた、生活に必要な諸機能が近接した効率的で持続可能な都市」のことを、コンパクトシティと呼びます。
「都市」と呼ぶには小さすぎる村ですが、まさに舟橋村はコンパクトシティでしょう。
そんな人口倍増などの発展を遂げてきた舟橋村のことが、「奇跡の村 舟橋」という書籍にまとめられました。
この本は、ふるさと納税の返礼品にも追加されています。
少子高齢化、過疎化が進む市町村が多い中で、舟橋村のように元気な村があることは驚きです。
田舎への移住を考える時、こんな村も候補に入れたいですね。