大正製薬、早期退職応募人数948人、全従業員の15%!なぜ今辞める?

2018-09-03

退職願

新聞で「948人が早期退職 大正製薬で応募」という表題の、小さい記事を見つけました。

更に小さい文字で「対象従業員の3割以上」と書いてあります。3割という数字を見て、さすがに少し驚きました。

大正製薬ホールディングスとして、創業以来初となる早期退職の募集を発表しました。その際、上原社長は「中長期的に発展するため」と募集理由を説明しています。

対象は、勤続10年以上、かつ40歳以上の約3,000人でしたが、対象者の30%以上、全従業員約6,300人の15%が、早期退職に応募したのです。

すごく高い比率に思えるのですが、会社の発表では「ほぼ想定していた人数」とのこと。

これだけの人数を減らすということは、売上を増やせる可能性が、現時点では見えていないということでしょうか。

事業転換が無いと、従来の企業は先細り

大正製薬といえば、誰でも知っている大企業です。1912年設立の大正製薬所が前身であり、100年を超える歴史があります。

また、栄養ドリンクの「リポビタンD」、養毛剤の「リアップ」など、TVのCMでも、お馴染みの商品ばかり。

しかし、逆に考えれば、なんだかずっと、同じような商品ですね。「ファイト イッパーツ!」という掛け声も、あまり代わり映えしないような。

海外商品を含め、栄養ドリンクも、さまざまな種類が出てきました。一時期は「一人天下」に見えた養毛剤も、同じような効果をうたう商品が、他社から発売されています。

そろそろ、新しい事業にも目を向けないと、他の歴史ある大企業と同様に、今後の売上は先細りするでしょう。

とはいえ、TVのCMをするような大衆薬の売上高は、若干ですが前年より増えています。

本当に問題なのは、医療用医薬品の方で、薬価改定などの、政府の医療費抑制策により、売上、利益ともに減る見込みです。

そんな状況を、社員は一番よく知ってますから、今回の募集に、多数が応募したのかも。

早期退職における割増退職金の価値は?

今回の発表で「早期退職による割増退職金や再就職支援などで、122億円の特別損失を計上」とのコメントがありました。

割増退職金は、勤続年数や年齢で、計算が異なるかと思いますが、単純に計算すると、一人1,200万円程度になりますね。

これを高いと見るか、安いと見るかは、各自が置かれた状況、将来に向けた考え方次第。

もともと大きな会社なので、給料も良かったと思いますが、それでも、1,000人近い人たちが、早期退職を選んだわけです。

やはり、お金以上に、早期退職を決断する理由があったのでしょう。

私は昨年7月に55歳になり、今年の3月末で、35年間勤めた会社を早期退職しました。

若干の割増退職金がありましたが、実は退職手続きをすすめる中、割増退職金が出ることを知った次第で、あまり意識していませんでした。

割増退職金よりも、大事な判断材料があったわけです。

まとめ

以前の記事に、会社を辞めてすぐに、愛犬と北海道まで車で旅したことを書きました。

愛犬は10歳のビーグル犬の女の子です。

そんな彼女を車に乗せて、九州から北海道まで旅をするのが私たち夫婦の夢でした。

彼女が元気なうちに実現したいと考えていた時、私は55歳という節目を迎えたのです。いいえ、今考えれば、勝手に「節目」にしたのかも知れません。

今10歳の彼女が、何歳まで元気で、そして何歳まで生きてくれるか判りません。60歳の定年を待っていたのでは、後悔するかも知れないと思ったのです。

それで、あっさり、本当にあっさりと早期退職の決断をすることができました。

もし、皆さんの会社で、早期退職、希望退職の募集があり、その時に、自分が本当にやりたいことがあれば、前向きに応募してみませんか。

死ぬまで働ける会社に勤めていない限り、いつかは辞める時がきます。

自分の中で「絶対に後悔しない」と思えたら、それが辞めるタイミングです。

リストラ、人員削減、早期退職に不安を抱いている方はこちらの記事をご覧ください。