政府を信じて会社に残ると不幸になる理由とは?早期退職こそがリスク回避!

2018-10-24

再雇用された60歳を超えるサラリーマン

定年前後の皆さん、こんにちは。

皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。

いよいよ安倍政権が、雇用継続年齢引き上げに着手しました。

現在は2013年に施行された「改正高年齢者雇用安定法」に基づき、企業には65歳までの雇用確保措置をとる義務があります。

安倍政権は、この65歳という年齢を70歳に引き上げようとしているのです。2020年の法改正を目指すと聞いて驚きました。たった2年後、すぐですよ。

政府は、高齢者の体力や運動能力がこの10年で5歳から10歳若返り、60歳以上の8割が70歳以降まで働きたいと希望していることを根拠としています。

日本の人口は、2042年まで65歳以上の高齢者が増え続けるそうです。このままいくと、2030年頃には75歳、80歳まで雇用するように法改正されそうですね。

雇用継続年齢の引き上げに反対する理由はありません。しかし、セットで変わる「年齢」もありそうで気になります。

年金の受給開始年齢も引き上がるのでは?

「高齢者の体力や運動能力がこの10年で5歳から10歳若返り、60歳以上の8割が70歳以降まで働きたい」という政府の見解。

この言葉を、そののまま素直に受け取れますか?

確かに、65歳が「高齢者」というのは現実にマッチしないと思います。私のまわりにも元気な65歳以上がたくさん居ます。

しかし、この10年で10歳も若返ったというのは、さすがに大げさでしょう。また、70歳以降まで働きたいというのは、今の会社でという意味でしょうか。

政府も雇用継続年齢を70歳まで引き上げる際には、一つの会社だけでの継続雇用だけでなく、別の企業に移って働き続けられるようにすることも想定としていますが、子会社への転籍以外は現実味がない話です。

以前の記事にも書きましたが、「改正高年齢者雇用安定法」に従い65歳まで雇用する際、一旦退職させ、労働条件を見直して再雇用する企業がほとんどです。

そして多くの場合、これまで通りの仕事は続けられず、労働条件も悪化するでしょう。つまり、現行の65歳までの雇用確保措置でも、企業は持て余しているのが現実です。

政府の都合の良い見解は、どうしても70歳まで「働けることにしたい」という焦りから生まれている気がします。

それは原則65歳である年金受給開始年齢を、70歳に引き上げたいからに他なりません。

安倍政権、政府の想定は非現実的!

安倍政権は、働く高齢者を増やすことで人手不足の緩和や、社会保障財政の安定化を図る狙いです。

つまり、高齢者にも「社会に支えられる立場」から「社会を支える立場」になってもらいたいわけです。これは正しい考えだと思います。年金をもらう人ばかりになったら、日本は破綻するでしょう。

しかし、それを防ぐ手段が高年齢者雇用安定法の再改正でしょうか。

65歳までの業務・人事制度でさえ明確にできず、定年引き上げではなく、再雇用を選択する企業がほとんどである状況で、70歳までの対応なんて到底できるとは思えません。

未来投資会議の席上で、安倍首相は「高齢者の希望、特性に応じて多様な選択肢を許容する方向で検討する」と発言しましたが、まさに現実を無視した「寝言」です。

また政府は、働きやすい環境作りとして、大企業に中途採用比率の情報公開を求め、高齢者を含めた中途採用市場を活性化させるとも言っています。

「中途採用比率の情報公開」、似たようなものが最近ニュースになりました。障害者雇用の水増し不正問題です。こんな施策では、数字合わせに終わりそうですね。

現時点では、原則65歳となっている年金受給開始年齢は引き上げない方針のようですが、本人の希望で70歳以降も選べるようにするそうです。

こうして、じわじわと年金受給開始年齢を原則70歳に引き上げていくのでしょう。

まとめ

高齢者も社会に貢献できるようになることは、間違いなく必要なことだと思います。

しかし、法改正で企業に高齢者継続雇用を押し付けても、現実的には無理なことが多すぎます。

たとえ継続雇用されたとしても、60歳から70歳までの仕事内容、労働条件は、本人のモチベーションが上がらないものになるでしょう。

高年齢者雇用安定法が再改正されて、いつまでも今の会社が雇ってくれると考えじっとしているのは、とてもリスクがあることです。

何の準備もしないまま再雇用されて、モチベーションが下がったから辞めたいと思っても、もう取り返しがつきません。

心身ともに健康な今のうちから、新しいことへの準備を始めて、今の会社に依存しない自分になることを目指す必要があります。

70歳どころか、生涯社会に貢献できるよう、早期退職して一生働ける本当にやりたいことを見つけましょう。

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