『老後の資金がありません』早期退職し会社に依存せず生きるべき理由とは?

定年前後の皆さん、こんにちは。
皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。
今回、垣谷美雨さんの著書『老後の資金がありません』を読みました。
この本の主人公は53歳の女性、事務職として派遣で働いています。夫は建設関係のサラリーマンで57歳。
子供2人の4人家族でマンション暮らし、上は女の子で28歳アルバイト生活、下の男の子は来年大学を卒業予定です。
定年まであと3年、マンションのローンは完済間近、女の子は結婚が決まり、下の子は就職先も決まりました。
1,200万円の預金は少ないと思いながらも、子供が独り立ちして、夫の退職金が入れば、というところでストーリーが始まります。
57歳のサラリーマン、妻がパートか派遣勤務、成人した子供2人というシチュエーションにはとても現実味があります。
このままいけば、子供は独り立ちして退職金も入り、夫婦2人で穏やかに暮らせそうですが。
老後の資金が一気に無くなる!?
垣谷さんの本を読んだのは『定年オヤジ改造計画』に続き2冊目です。
前回同様、この本でも様々な事件がすごいスピードで起き、ストーリーが目まぐるしく展開。
娘の結婚式に数百万円、舅の葬式にも数百万円、1,200万円の預金はあっという間に300万円に。さらに妻は派遣契約を切られ、なんと夫までリストラに遭ってしまいます。
期待した退職金は、まったく出ないことが判明。あくまでも小説の中の話ですが、シチュエーションと同じく、誰の身に起きてもおかしくない展開です。
娘の結婚式は「地味婚」で、舅の葬式は「家族葬」で良かったのにと主人公は悔やみますが、実際はなかなかそうはできませんよね。
世間体を考えて、イベントでは相当な出費が発生するものです。
いったいこの家族には、どれだけの預金が必要なのでしょう。
老後の資金はいくら必要なのか?
雑誌やインターネット上に、老後の資金、蓄えに関する記事が溢れています。
一般的には3,000万円、いや5,000万円は必要という記事が多く、中には生活レベルを下げたくないなら1億円必要というものも。
しかし、そんな金額を準備できる家って本当に一般的なのでしょうか。
この本の中での会話です。
妻「退職金は2,000万円くらい出るの?」
夫「馬鹿言え、それは昔の話だ。今は1,000万円出たら良い方だ」
確かに昔は、3,000万円とか4,000万円の退職金が出たという話を聞いたことがあります。
退職金だけで老後の資金が賄えるなら、家のローンを組んでも、子供の学費がかかっても、なんとか帳尻を合わせられそうですね。
でも、それは昔の話。今どき、そんな額の退職金を貰えるのは、一流企業で出世した人だけでしょう。
しかも、今は昔より平均寿命も延びています。
どう考えても、これで大丈夫という金額を蓄えることは不可能ではないでしょうか。
まとめ
老後のことを考えれば、確かに蓄えは多いほうが良いでしょう。
この本の主人公も蓄えは大事だと考え、子供をふたりとも大学に行かせ、家のローンを少しずつ繰上げ返済しながらも、自ら派遣で働くことで1,200万円の預金を作りました。
これに退職金を加えれば、夫婦二人なんとかなると思っていたはずです。
しかし、あっという間にその計画は壊れます。とくに夫のリストラ、退職金ゼロはまったくの想定外でしょう。
ここに会社に依存する怖さがあります。
60歳を超えてもあと5年、10年は勤められるだろう、退職金はこれくらい出るだろう、などと50代の時に考えた計画は、あっという間に壊れるかも知れません。
昔と違い、今の日本の企業では何が起きるか判りません。絶対の安定なんてどこにもないのです。
心身ともに元気な今のうちから、一生続けられる本当にやりたいことをみつけて準備を始めましょう。
会社に依存せず働ける力をつけておけば、蓄えが少なくても一生食べていくことはできるはずです。
会社に残るよりも、早期退職して独立することが、一番のリスク回避です。
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