『憲法の真髄』改正自体が悪ではない。憲法はさらに良くする必要がある!?

定年前後の皆さん、こんにちは。
皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。
今回、小林節さん、竹田恒泰さんの共著『憲法の真髄』を読みました。
この本の著者である小林さんは、慶應義塾大学名誉教授で弁護士ですが、憲法学者として多くの本を書いています。
竹田さんはテレビ番組「そこまで言って委員会」でよく見かけますね。明治天皇の玄孫として有名ですが、慶應義塾大学の法学部で憲法学、史学を学んでいて、小林さんの教え子でもあります。
そんな二人が、現実味を帯びてきた憲法改正国民投票に向けて、主権者である国民にもっと憲法のことを知って欲しいと願い、この本を完成させました。
実は、この「主権者である国民」というのが、キーワードなんですね。
安倍首相をはじめ、国会にいる政治家に従う国民というイメージがありますが、それがそもそも間違いだと説いています。
首相を含め、政治家なんて、一時的に選ばれて権力を預かっているに過ぎないと。
そもそも憲法とは?
この本は、二人が対談する形で書かれています。
読み進めれば判るのですが、竹田さんは小林さんの教え子ですが、必ずしも二人の意見は完全に一致してはいません。対談の中で「そういう考えもあるね」という言葉も出てきます。
しかし、二人の認識が完全に一致しているのは「憲法とは何か?」です。
「憲法」とは、本来的に不完全な私たち国民の中から一時的に選ばれて権力を預かっている政治家以下の公務員がその権力を乱用しないように、主権者国民の最高意思として権力者を拘束する規範である
つまり、私たち国民が主体的に考え決めるものであって、間違っても、一時的な権力者である安倍首相や政治家が好きなように決めるものではありません。
反対に、権力者に好き勝手をさせないようにするものが「憲法」。
だからこそ、憲法改正国民投票に向けて、私たちは憲法のことをもっと知る必要があるわけですね。
憲法改正自体が駄目なことか?
これまで「戦争をしない国」だった日本が、憲法第九条を少しでも変えると、戦争をしてもいい国になってしまう。
こんな私の「間違った認識」を、この本は正してくれました。言われてみれば当たり前ですが、よくなるなら改正すべきだし、悪くなるなら変えるべきではない。
私は、現時点で問題がないのだから、九条は変えるべきではないと考えていましたが、実は九条にはとても危険な問題点がありました。
それは、どうにでも読めてしまうということ。
実際に2014年には、安倍政権で憲法の「解釈を変更」して、自衛隊の海外派遣を実現させてしまいました。
これでは、積極的に戦争をしたいと思う政権が出てきたら、九条を変えなくても「解釈を変更」して戦争を始めるかも知れません。
今の安倍政権の改正案は、どう見ても「改悪」ですが、変なことをされないように、よくする「改正」は必要ってことですね。
まとめ
憲法改正案を見ていると、「憲法は一般国民が守るべきもの」という認識を、安倍首相はじめ自民党は持っているのではと感じます。
これは本当に怖いことで、日の丸を揚げて、君が代を歌えと憲法で強制するようになると、最後に待っているのは徴兵制の復活。
米国からの押し付け憲法を脱却すると言いながら、実は権力者から押し付けられる憲法になってしまいます。
最初に書きましたが、憲法は「主権者国民の最高意思として権力者を拘束する規範」です。
国民投票になった時、本当にそれは私たち国民の幸福を実現するものなのか、真剣に考え、判断する必要があります。
もうすぐ憲法改正の発議が行われる可能性があります。
あまり時間はありません。憲法と真剣に向かい合ってみませんか。