沖縄基地問題を米国と協議するなら「今でしょ!」その5つの理由とは?

2019-03-05

沖縄米軍基地のオスプレイ

2月24日に投開票された沖縄県民投票は、辺野古埋め立てへの「反対」が多数を占めました。

しかし、沖縄県の玉城知事がその結果を伝えても、安倍首相の答えはいつもの通り。

単に辺野古に新たな基地をつくるということではなく、普天間基地を全面返還し、移設するための基地であることも理解いただきたい

相変わらず世の中をなめてる回答ですよね。うんざりです。

昨年の沖縄県知事選挙、そして今回の県民投票で、辺野古埋め立て移設反対の民意は明確に示されました。

しかし、政府、安倍首相は「辺野古移設ありき」の考えを変えません。

国会では野党の質問を鼻で笑い「絶対権力者」であり続ける安倍首相ですが、米国に対しては服従。

辺野古移設が唯一の選択肢という米国の「命令」を、忠実に守り続けています。


『沖縄県の米軍基地問題は、このまま辺野古移設で進めるしかないのか・・・』と、なんだかスッキリしないでしょう。

しかし、この記事を読めば少しは希望が持てると思います。

なぜなら、沖縄県の米軍基地について米国と協議するなら今が絶好のチャンスである理由がたくさん揃っているからです。

沖縄県の米軍基地問題に関する昨年からの出来事について、5つのポイントを簡潔にまとめました。

読み終えれば、米軍基地問題の全体図が見えてくるはずです。

米ホワイトハウス請願書サイトで「辺野古移設工事中止」が10万筆超え!

「We the People」ってご存知ですか。

米国ホワイトハウスのWebサイトにある米国政府に対する請願を受け付けるシステムで、2011年9月に公開されました。

「We the People」では、10万筆を超える署名が集まると、請願に対する政府の公式回答が行われる決まりです。

昨年12月8日、辺野古の新基地建設工事を止めようと、ハワイ在住のロバート梶原さんが「We the People」でインターネット署名を呼びかけました。

そして、10日後の12月18日には10万筆を超えたのです。

署名が集まった理由のひとつに、イギリスのロックバンド・クイーンのギタリストである、ブライアン・メイ氏の呼びかけがあげられるでしょう。

ホワイトハウスの回答が待たれます。

つまり、辺野古の新基地建設は、沖縄県、日本国内だけではなく、今世界中が注目している問題なのです。

北方領土返還。沖縄基地問題を例に日本の主権を疑うロシアプーチン大統領

北方領土問題

昨年、久しぶりに北方領土返還の話が盛り上がりましたね。

安倍首相は2島先行返還からなどと言ってますが、実態は難しいでしょう。

ロシアのプーチン大統領は、昨年12月20日に開いた年末恒例の記者会見で、北方領土を返したら米軍基地が置かれるのでは?との考えを示しました。

安倍首相はプーチン大統領に、北方領土には米軍基地を置かない方針を伝えていますが、プーチン大統領は信じていないのです。

信じられない理由は明確。

沖縄県の米軍基地問題で、県知事をはじめ人々が撤去を求めているのに、辺野古の新基地建設が進められている。

この現状を見たプーチン大統領は、米軍基地問題について疑っています。

「日本が決められるのか、日本がこの問題でどの程度主権を持っているのか分からない」と考えているのです。

もっともな話ですよね。

普天間基地の固定化、危険回避は、辺野古移設が唯一の選択肢という米国の「命令」に従う安倍首相です。

それを見れば、日本に決定権がないことはあきらか。

北方領土を返還したら、日米安全保障条約に基づき、北方領土に米軍基地が置かれると考えるほうが現実的でしょう。

つまり、安倍首相が北方領土問題を解決したいと本気で考えるなら、米国との安全保障条約見直しは避けて通れないのです。

在韓米軍撤収、「将来あるかもしれない」とトランプ大統領が発言

在韓米軍

今月2日、毎年春に実施される朝鮮半島有事を想定した大規模な米韓合同軍事演習の終了が発表されました。

今後は、規模を縮小させた新たな演習に置き換える方針とのこと。

大規模演習の終了は、北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉に配慮した措置とのことです。

しかし、私にはトランプ大統領のツイッターが本音に聞こえます。

私が韓国と軍事演習をやりたくない理由は、(韓国側から)米国に返済されていない何億ものドルを節約するためだ。

以前からトランプ大統領は、軍事演習を「戦争ゲーム」であり無駄なコストだと発言していました。

2月27、28日に開催された北朝鮮との2回目の首脳会談では、在韓米軍の削減については議題にあがっていません。

しかし、トランプ大統領の本音は別の場で聞くことができました。

実は、2月3日の米CBSのインタビューで在韓米軍について発言しています。

「韓国に軍隊を駐留させるのはとても費用がかかる」と強調し、撤収の協議も「将来あるかもしれない」と。

つまり、米国における北朝鮮や中国との関係性、そして経済的な理由からもアジアにおける米軍の配置は今後見直される可能性が高いのです。

当然、沖縄県における米軍の配置も、その見直し対象となるはずです。

辺野古は軟弱地盤。埋め立てには改良工事が必要だが作業長期化は必至

辺野古埋め立て工事

辺野古埋め立て予定海域で、65.4ヘクタールという面積の地盤改良工事が必要であることが判明しました。

防衛省は砂の杭を7万6699本打ち込むことで軟弱地盤を強化可能としています。

しかし、対象となる埋め立て予定海域の水深は30メートルと最も深い場所。

さらにその下の軟弱地盤層が60メートル。つまり計90メートルの深さに及びます。

通常、作業船で地盤改良工事を実施できる深さは70メートルが限界であり、90メートルでの前例はありません。

政府、安倍首相は「辺野古移設が唯一の選択肢」として、時間がかかっても工事を続けるでしょう。

しかし、それでは本末転倒なのです。

そもそも、普天間基地の危険回避を「早急に」実現するため、政府は辺野古への移設を決めたはずです。

しかし、90メートルの深さでの地盤改良工事は困難を極め必ず長期化します。

その後に通常の基地建設を行ったのでは、とても「早急な」普天間基地返還など叶いません。

つまり、このままでは普天間基地の危険状態が逆に長期化することになるのです。

それに、そんな軟弱地盤だと知れば、米軍も辺野古への新基地建設を見直すのではないでしょうか。

沖縄県民投票結果はトランプ大統領にも通知。玉城知事は3者協議を提案

沖縄県民投票

最初に書いた通り、2月24日に投開票された辺野古埋め立ての是非を問う沖縄県民投票は、「反対」が72.15%の43万4273票となりました。

県民投票条例では、反対票が投票資格者総数の4分の1を超えた場合の規定があります。

それは、玉城知事から安倍首相とトランプ大統領に結果を通知することです。

3月1日、玉城知事はさっそく安倍首相を訪ね結果を伝えましたが、その際にとても良い提案を行いました。

それは「SACO with 沖縄」(SACWO)

日米両政府と沖縄県が移設計画を再検証するための協議体です。

SACOとは23年も前の1996年に、政府が「唯一の解決策」とする辺野古移設をまとめた日米特別行動委員会のこと。

玉城知事はそこに沖縄県を加え、日米両政府+沖縄県で23年前の前提を検証しましょうと、安倍首相に提案したのです。

つまり、本来であれば安倍首相から米国に打診すべき検証の提案を、玉城知事が行ったわけです。

安倍首相は提案に対して返答しませんでしたが、沖縄県民投票結果はトランプ大統領にも通知する予定。

玉城知事から直接トランプ大統領へ「SACO with 沖縄」(SACWO)の提案を行えば、安倍首相も無視できないのではないでしょうか。

安倍首相!今こそ沖縄米軍基地問題をトランプ大統領と協議する時です。

国家間の協議

安倍首相の考え方の原点、つまりそれは米国の意向ですが、沖縄県の米軍基地問題は沖縄県内の移設で解決させる、というものです。

普天間飛行場の固定化、危険回避には、辺野古への新基地建設が不可欠というのが政府の見解。

つまり「普天間が嫌なら、沖縄県内の別の場所を差し出せ!」と言っているわけです。

しかし当然ですが、米軍基地は沖縄県を守っているわけではありません。

沖縄県だけが負担を強いられている現状は、あまりにも理不尽です。

米国に対し、なんでも従うイエスマンでいることは楽でしょう。

しかし、それでは一国の首相である価値はまったくありません。

まさに今、沖縄の基地問題について米国と協議するための環境が整いました。

米国と協議できる材料

・「We the People」で辺野古移設工事中止の請願が10万筆超え

・北方領土返還の条件は、返還後に米軍基地を作らない確約が必要

・在韓米軍の撤収など、アジアにおける米軍配置は今後見直しされる

・そもそも辺野古埋め立て予定海域は軟弱地盤で基地に不向き

・沖縄県民投票での「辺野古反対」はトランプ大統領にも通知

これだけ材料が揃った今こそ、日本政府、安倍首相は勇気を出して、米国トランプ大統領と沖縄米軍基地問題について真剣な協議を行うべきです。

もし、これでも動かないようであれば、私たちは政府自民党、安倍首相に対し、選挙で「NO!」を示すべきではないでしょうか?