高齢化と人口減少が続く離島。過疎地域共通の課題を解決するには?

定年前後の皆さん、こんにちは。
皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。
高齢化と人口減少が進む、離島が抱える問題について、新聞記事を見つけました。
離島に共通する課題には、次のようなものがあります。
- 減る人口:全国平均は0.8%減だが、離島だけでは9%減
- 減る子供:2015年の児童・生徒数は、2000年に比べ45%減
- 高齢化率:全国平均27%に対し、離島は39%が65歳以上
- 縮む経済:農林水産業の2013年生産額は、1985年の半分
- 医師不足:2014年時点、約4割の離島で医師不在
新聞で紹介されていた、琵琶湖に浮かぶ沖島(おきしま)でも、同様の課題を抱えており、ごみ出し、救急搬送といった、生活基盤まで壊れそうな状況です。
沖島には、ごみの焼却・処分施設がないため、週1回の可燃ごみ収集日に、対岸まで船で、ごみを運ぶ必要があります。
運搬作業は、島民が10班に分かれての当番制。ある週の当番5人の平均年齢は73歳。68歳が一番若手で、最高齢はなんと86歳でした。
「60代でも若手」なのです。
日本には元気な離島もある!
愛媛県に、弓削島(ゆげしま)という、元気な離島があります。
国は2013年度から「離島活性化交付金」を設け、毎年10億から16億円を、島を持つ自治体に交付しています。
交付金を利用して、弓削島では民家を改修し、2015年度に10人が移住してきました。
せとうち観光推進機構が運営する「瀬戸内Finder」というサイトがあり、弓削島も属している上島町を紹介しています。
官民が一体となり、支援制度で移住者をサポート。なんと、ニュージーランドから移住した家族もいます。
東京から移住したご夫婦は、東日本大震災が転機となって「自分たちの暮らしは、なるべく自分たちで創る」自給自足の暮らしへの思いが強くなったそう。
上島町の島おこし協力隊に応募し、合格したのをきっかけに、2人で弓削島に移住しました。
その後「耕さない、農薬や肥料を使わない、草や虫を敵としない」ことを原則とする自然農に出会い、「百姓」という仕事にたどり着きます。
今では、野菜を作る「まるふ農園」、野菜の販売の他、農園の野菜が主役の「食堂まるふ農園」、農家民宿「まるふのお宿」という3つの事業を行っています。
「単に野菜を育てて売るだけではなく、農を中心に様々な仕事を行っていきたい」と語り、農業、移住、社会問題、環境問題をテーマとしたイベント、地域活性化の活動にも取り組み中。
人が移住し、新しい仕事が起き、また、そこを訪れる人が増え、島が潤う。弓削島では、そんな素晴らしい循環が、生まれているのです。
琵琶湖に浮かぶ沖島でも新しい動きが
沖島では、20年ぶりに、島の将来を話し合う機会を持ったそうです。
危機感を持って、島民同士が話す場を設けたのは、結婚などを機に、島外から移住してきた、20代から50代の女性たちです。
その中には、今年3月に、地域おこし協力隊として、家族と移住した女性、昨年6月に移住した大学生の姿も。
「無人島になるのは寂しい。若い世代が移り住めば、何か変わるかも」との思いです。
話し合いで出た意見をまとめ、将来の島のビジョンを示す「沖島憲章」を作り、人口減に悩む離島の、再生モデルケースになることを目指します。
人口250人の島ですから、一致団結すれば、話が進むのは早いと思います。
近い将来、沖島が弓削島のように、活気を取り戻すことを、楽しみにしています。
まとめ
以前の記事に、地方で生産、加工、販売まで行う、6次産業の起業に挑戦しようと書きました。
離島をはじめ、田舎には素晴らしい自然、美味しい食べ物、優しい人たちとの出会いがあり、退職後は移住して、健康的に暮らしたいと、思う人も多いでしょう。
しかし、私たち50代が移住するだけでは、「将来の高齢者」が増えるだけです。
移住し、起業することで、島内での仕事が増え、人が増え、子供が生まれ、医者も住むようになります。
そんな素晴らしい循環を、作ってみたいと思いませんか?