『イナカをツクル』早期退職し、自分らしい暮らしを求めて移住しませんか?

2018-11-18

移住して農業に励む男性

定年前後の皆さん、こんにちは。

皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。

今回、嵩和雄さんの著書『イナカをツクル』を読みました。

この本の著者である嵩(かさみ)さんは、1972年新潟県生まれ。

2001年に熊本県小国町に研究のため移住し、地域づくり活動に従事。現在は地方移住を推進するNPO法人ふるさと回帰支援センターに勤務しています。

この本を書いた目的は、本を読んで興味を持った地方を訪ね、それを契機として自分にとっての「イナカ」をつくって欲しいとの思いです。

そのため本には、移住、起業に関する事例が45個も載っており、良いことばかりではなく課題もたくさん紹介。

もともと日本農業新聞に掲載されたコラム「創生ウォッチング」がベースになっているので、すべての事例は見開き1ページで読むことができます。

読み進めていくと、これなら自分にもできそう!という「ワクワク」した気持ちになってきますよ。

「イナカ」と「田舎」

本の題名にも「イナカ」が使われていますが、イナカと田舎は違うのでしょうか。

1990年代までは、まさに農村部は「田舎」でした。東京を基準にすると「何もない」。

しかし、今の農山村は違います。東京とは異なる「何もない」ことが、逆に魅力になっています。

地方移住を考える人は、少子高齢化、過疎化の事実を知っていますし、一般的には収入減になることも判ってる。それでも都会を離れて地方を選択する人は「地方の可能性」に期待しているのです。

「何もない」からこそ、自分の手で何かを「ツクル」ことができる。そこに可能性と魅力を感じるのでしょう。

今、「田舎」は可能性がある「イナカ」に変化しつつあります。

私たちもこの流れに乗っていきたいですね。

政府の「地方創生政策」とは異なるアプローチ

随分前から「市町村数は半減する」という意見があります。少子高齢化が進み、独立した運営が困難となり、吸収合併せざるを得なくなる。

人口減少、高齢化、耕作放棄地の拡大。たしかに地方の課題は多く、すべての地方で、すべての課題を解決することは難しいでしょう。

その状況を見て、政府も地方創生政策を始めました。

しかし、国の事業として取り組まれると、すべての地方について、同じ基準に基づく施策がとられる傾向にあります。

また地方自治体も、国からの交付金に見合う結果を求めてしまうため、指標の達成だけが目的に。つまり表面的な数字だけが独り歩きして、実態が伴わない状況になってしまいます。

この本では、国の「地方創生政策」ではなく、主体性のある地域、現場を紹介。表面的な数字ではない、実態を見せてくれているのです。

以前の記事に書いた通り、地域おこし協力隊は3年間の活動も素晴らしいものですが、その地域に移住・定住し起業してもらうことも大きな目的です。

「昨年度の地域おこし協力隊員は何名」という数字だけでは、なかなか実態が見えてきません。

その後、移住・定住した人たちの活動を知ることで、本当の地域の魅力が判りますよね。

まとめ

本に載っているどの事例も具体的で、前向きな内容であるため、本当にワクワクした気持ちになれます。

しかし、地方移住にまったく問題がないわけではありません。

以前の記事にも書きましたが、トラブルが起こる原因の多くは人間関係です。

せっかく移住しても、周りの住民とうまくやれないのでは、楽しい暮らしを送ることはできません。

この本を読んで、気になった地方があれば、ぜひ一度訪問して、先輩移住者の意見を聞くことをお勧めします。

私も田舎町に引っ越す前には、何度か現地を訪れ様子を確認しました。

終の住処になる可能性も高いわけですから、慎重に選びましょう。

リストラ、人員削減、早期退職に不安を抱いている方はこちらの記事をご覧ください。