「変革期」早期退職し組織を抜け出すことが、リスクヘッジになる理由とは?

定年前後の皆さん、こんにちは。
皆さんが抱える悩みや気になることを、私と一緒に解決していきましょう。
文部科学省の前局長が、受託収賄容疑で逮捕される事件がありましたよね。しかも、目的が息子の「裏口入学」という、笑ってしまうくらい、なんとも悲しい理由でした。
相手となる贈賄側は、東京医科大の理事長と学長でしたが、その後、東京医科大については、医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことも判明しました。
日大アメフト部の危険タックル問題が騒がれ、今度は文部科学省、そして東京医科大での不正が、次々と明るみに。
そして、日本ボクシング連盟での助成金不正流用、審判員の不正判定疑惑です。
文部科学省、東京医科大、日大、日本ボクシング連盟、どれも大きな組織ですし、一見すれば、真面目な堅いイメージまでありますよね。
その組織が、様々な告発により、バラバラと壊れていきます。しかも、告発された内容が、その組織が一番守り、誇るべきテーマでの不正です。これらの組織が一般企業であれば、間違いなく業績悪化、最悪の場合は、倒産に追い込まれるでしょう。
時代の変化によるリスク
10年ほど前から、多くの企業で、法令遵守、コンプライアンス最優先ということが、叫ばれるようになりました。
企業が法令を遵守することは、もともと当然の話なのですが、ここ10年ほどの時代の変化が、大きく影響していると思います。
ひとつは、FacebookやTwitter、ブログなどにより、個人の意見を公にすることが、とても容易な時代になったことです。就業規則に反するか否かは別として、企業内でしか知りえない問題、不正が、個人から世間に向けて発信される。リアルタイムで情報が流れるので、組織としても防ぎようがありません。
もうひとつの大きな変化は、終身雇用制度の崩壊です。業績が右肩上がりだった時代にうまれた、この制度のおかげで、企業から従業員には、安心感を与え、従業員は企業に対し、忠誠心を抱いていたと思います。「組織の犬」なんて言葉も使われますが、まさに忠犬のような社員でいたわけです。
しかし、長い不況で、多くの企業の業績が悪化し、希望退職、早期退職を募るところが増えてきました。終身雇用制度は崩壊したわけであり、従業員の忠誠心は、間違いなく弱まったでしょう。
今まさに日本は、変革期の真っ只中に、いるのだと思います。
大きな組織に属するリスク
親は子供に「一生懸命に勉強して、大企業、一流企業に入りなさい」と、教えてきたと思います。自分が属する組織は、大きければ、大きいほど良いと、考えられてきたからです。
しかし、今の時代を見たとき、この考え方が本当に正しいのか疑問です。大きな組織で、多くの従業員を抱えるほど、不正が起きる可能性も大きく、また、それを公にする従業員も、多くなるのではないでしょうか。企業に対する従業員の忠誠心が、弱まっているのですから、当然のことと言えます。
また、これは私自身が経験したことですが、ある土曜日に管理職の全社員が、社外の施設に集められました。壇上に立った社長からは、「コンプライアンスに違反した者は、会社として守れない」との説明がされました。
つまり、終身雇用制度では「うちに入社すれば、定年まであなたを守りますよ」と言っていた会社が、「あなたが起こした不正は、あなた個人の責任であり、会社は知りません」と言っているわけです。従業員の忠誠心が弱まったように、企業も従業員を守れなくなったのです。
そもそも不正行為は駄目ですが、「会社のため」と考えて不正をするなんて、時代遅れもいいとこですね。
まとめ
終身雇用制度の崩壊で、企業と従業員の信頼関係は弱まりました。また、終身雇用制度では、従業員の心の中にも、「おとなしく過ごせば、定年まで無事にいられる」という甘えもあったでしょう。
しかし、すでに、自分の身は、自分で守るべき時代に入っています。自分自身に磨きをかけて、たとえ所属する組織がなくなっても、自分は食べていけるという準備が必要です。
はやく、本当にやりたいことを見つけ、自分自身のスキルアップを図り、今の組織から抜け出すことが、一番のリスクヘッジではないでしょうか?
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